物忘れ・認知症について
老化?病気?見極めましょう!
物忘れを「年齢のせいだから仕方ない」と考える人は少なくありません。しかし、老化に伴う物忘れと、脳の病気の認知症とは、症状が違い、治療が必要かどうかも異なります。当院では、丁寧なヒアリングと先進機器を活用した検査により、物忘れの原因を突き止め、必要な治療を提供いたします。
症状 SYMPTOMS
- 人の名前が思い出せない
- 服装や身だしなみに気を遣わなくなった
- 暗証番号を忘れてしまった
- 長年習慣にしてきたことができない
- 記憶が抜け落ちている
- 忘れていることに気づかない
- 怒りっぽい
- 時間・空間(場所)が分からない
- 疑り深くなった
- 何度も同じことを繰り返し言う
など
代表的な疾患 DISEASE
- アルツハイマー型認知症
- 前頭側頭型認知症
- 脳血管性認知症
- 特発性正常圧水頭症
- レビー小体型認知症
- 慢性硬膜下血腫
など
加齢による物忘れと認知症の違い
加齢による物忘れは、記憶以外の問題が見られず、日常生活に大きな支障をきたすことはありません。
一方、認知症は症状が進行するのが特徴で、日常生活に大きな支障が生じます。
加齢による物忘れ | 認知症 | |
---|---|---|
原因 | 脳の老化 | 脳の病気 |
特徴 |
・記憶の一部を忘れてしまう ・きっかけがあれば後から思い出すことができる |
・記憶したことをすべて忘れてしまう ・きっかけがあっても思い出すことができない |
物忘れに対する自覚 | あり | なし |
症状の進行 | すぐには進行しない | 徐々に進行する |
日常生活への使用 | ほぼ支障なし | 様々な支障あり |
主な疾患
- アルツハイマー型認知症
神経細胞が徐々に少なくなり、脳が萎縮することで症状が現れる進行型の認知症です。65歳以上の人で最も多く見られるタイプです。進行は比較的ゆるやかですが、新しいことが記憶できない、時間や場所がわからないといった様々な症状が現れるようになります。
- 脳血管性認知症
アルツハイマー型認知症に次いで多く見られます。脳の血管が詰まる脳梗塞や脳の血管が破れて出血する脳出血など脳卒中にともなって引き起こされる認知症です。脳のトラブルが起こった部位によって様々な症状が現れ、症状が出たり出なかったりするケースもあります。
- レビー小体型認知症
アルツハイマー型認知症、血管性認知症に次いで多い認知症です。変性したタンパク質が脳内に溜まって発症し、手足のふるえや動作が遅くなるといったパーキンソン病に似た症状のほか、存在しないものが見える、睡眠中に暴れたり大声を出したりするといった症状が現れることもあります。
- 前頭側頭型認知症
脳の前頭葉と側頭葉がダメージを受けて発症する認知症です。性格の変化や社会性の欠如、同じことを繰り返すといった症状がみられます。発症年齢が比較的若く、初期のうちはもの忘れも目立たないことから、精神疾患と診断されてしまうことも少なくありません。
- 特発性正常圧水頭症
脳の中にある脳室と呼ばれる空間に脳脊髄液が溜まり過ぎ、脳を圧迫することで発症します。60歳代以上に多く、認知障害のほか、歩行障害、排尿障害の3つの症状を伴うのが特徴です。原因が明らかでない特発性正常圧水頭症のほか、くも膜下出血などの後に起こる続発性正常圧水頭症があります。
- 慢性硬膜下血腫
頭部の軽い打撲などによって脳内に徐々に血液が溜まり、脳を圧迫することで発症します。頭痛がする、何となく元気がない、言葉が出にくい、尿失禁する、麻痺がある、うまく歩けないといった症状が現れ、急に認知症が進んだという場合はこの病気の可能性が考えられます。